赤外線を放射して加熱するヒーターには、使用する発熱体によりいくつかの種類があります。そのなかには石英管ヒーターやハロゲンランプもありますが、発熱体としてカーボン(炭素繊維)を使用しているのが、カーボンヒーターです。
導電体となる炭素繊維は、石英管の中に不活性ガスとともに封入され、これに電気を流すことで赤外線の放射が起こります。放射された赤外線が物質に届くと、反射・透過・吸収の3つにエネルギーの行き先は分けられます。このうち吸収されたエネルギーが物質の持つ分子運動と共振したとき、分子は摩擦熱を生み出します。これがカーボンヒーターを含む赤外線ヒーターが、ものを加熱する仕組みです。
赤外線ヒーターのなかでも、ハロゲンヒーターは照明用として開発され可視光として、多くのエネルギーを放射します。これに比べ、カーボンヒーターではより多くのエネルギーが赤外線領域で放射されます。また、カーボンヒーターから放射される赤外線は、水が吸収しやすい波長であることから、水を多く含む物体を加熱する際にも高い効率を発揮します。