この用語解説では、UV、フラッシュランプ、赤外線に関する用語をまとめたものです。関連する技術分野での用法とわずかに異なる場合があります。
ここでは、技術用語の「認識の違いを少なくする」ことを目的としており、関連分野のユーザー、フォーミュレーター、サプライヤー、研究者に薦めるものです。
この用語解説では、UV、フラッシュランプ、赤外線に関する用語をまとめたものです。関連する技術分野での用法とわずかに異なる場合があります。
ここでは、技術用語の「認識の違いを少なくする」ことを目的としており、関連分野のユーザー、フォーミュレーター、サプライヤー、研究者に薦めるものです。
あ行
単位面積当たりの表面に到達する放射エネルギーで、通常、平方センチメートル当たりのジュール数またはミリジュール数(J/cm2またはmJ/cm2)で表される。これは放射照度の時間積分である。(他の技術では、「放射露光」「光照射量」「全有効照射量」などの用語が適用される)。「フルエンス」、「積算光量」参照。
使用される半導体材料のドーピングおよび内部構造を介して特に制御および調整することができる。
不純物の添加により、過剰の電子によって占有されたドナー準位が形成され、価電子帯への電子の励起が容易になるため、電気伝導性が向上する。たとえば、Si結晶中にP(リン)を微量に添加した場合など。
LEDによって放射される光は、LEDの構造に応じて、最も多様な照度分布を有することがある。一般的に光は発散性である、つまり、照度は実質的に距離とともに減少する。そのため、光出力を効率的に利用するためには、辺に照射された光を偏向して照明に寄与しないようにすることが望ましい。 これにより損失を最小限に抑え、照射照度を最大にすることができる。光学系をこの目的に合わせて調整することにより、最適な光の集光なしには不可能な最適なプロセス結果を得ることができ、それと同時にLEDを効率的に使用できる。
広義では、半導体技術に基づいて、電気エネルギーを光に、またその逆に変換することができるすべての製品および方法を網羅する。
か行
光を全方向に均等に反射または散乱させる表面の特性(スプレッド反射と混同されることが多い)。
励起状態の原子から発せられる細い線状光。分光測定では「スパイク」として観測される。低圧光源は細かくはっきりした線発光を示し、高圧光源はそれよりも連続的なスペクトルを示す。
波長や溶媒の種類によって決まり、濃度に依存しない物質固有の定数。その波長における吸収の強さの尺度となる。εとあらわされる。
照射する光の波長を変化させて、それぞれの波長の成分が吸収される強度を表した図。目的とする分子が、どの波長の光をどのような強度で吸収するかを示す。
媒体が吸収する光と媒体が透過する光を比較した指標。数値的には、透過スペクトル照射光に対する入射スペクトル照射光の比の対数である。単位のない数値。吸光度は単色光照射で意味をもつが、時には特定の波長帯に適用される平均値として使用されることがある。
媒体の単位厚さ当たりの吸光度。
室温条件下でほとんどの分子は、基底状態でもっとも安定な振動エネルギー状態にある。分子が、光を吸収して励起一重項状態(S1)への遷移がおこる。様々な励起状態の分子は、原子核の振動や溶媒分子との衝突により失活し、最もエネルギー状態の低い励起一重項状態の最も安定な振動エネルギー状態(v=0)へと遷移する。さらにこれが、発光によって基底状態にもどることを蛍光とよぶ。同じスピン状態を持つ電子状態間の遷移によっておこる発光を蛍光と呼ぶ。
原子蛍光分光法は、金属などの原子の定性および定量分析に用いられています。
原子に固有の吸収線波長の光を照射したときに、吸収された光は再び蛍光として放射される現象を利用して元素の定量を行う分析法です。
バルブ内の圧力が105~106Paのランプであり、254nm、313nm、365nm、405nmなどに強い輝線を持ち、有機化合物を対象とする光化学反応に用いられる。UV硬化技術に用いられる。
反射率または透過率の逆数の対数。単位のない数値。印刷および色彩分野では、測定するインキに吸収される光に対する「絶対白色(absolute white)」に吸収される可視光の比の対数。
可視光を測定する計器で、通常は人の眼の応答と一致するようにフィルター処理するか補正する。
入射エネルギーに関する応答域の記述であり、その応答は入射角のコサインに比例する。ディフューザーや光応答性塗膜のついているラジオメーターは、コサイン応答に近い応答を示す。
コンピュータを使用して、主に設計・開発などエンジニアリング作業を行うツールの総称。数値解析(またはコンピュータシミュレーション)にも用いられる。CAEは、システムやアセンブリのロバスト性、性能を分析する。コンピューターシミュレーションで設計の最適化や試験をすることによって、開発時間やコストを削減できる。
さ行
酸素は大気中に約20%含まれる物質。酸素分子の基底状態は、三重項状態であり、分子内にラジカルが2個安定して存在するような挙動を示す。ラジカル重合では、この酸素分子内に存在するラジカルと反応活性種であるラジカルが再結合し、停止反応がおこり、重合が停止する。UV硬化アプリケーションでは、酸素阻害の影響を防ぐために、不活性ガス(窒素、二酸化炭素)雰囲気下でUV照射をおこなう実施例が多い。
熱つまりLED光源の動作によって発生する熱の指向放散を表す。このような放散は、LEDの過熱防止に必要で、過熱は非効率的な動作、寿命の短縮、および破壊などを引き起こす原因となる。放熱は、LEDを構築する、目的に合った材料と冷却機構に影響を受け最適化される。 ほとんどの場合、LEDは空気または水で冷却される。
100nm〜380nmの波長範囲の電磁放射線。同範囲は、光スペクトル範囲の短波長部分。 UVの波長は可視紫外光波長よりも短く、人間の目には見えない。光学的放射のため、「UV光」という用語が一般に使われている。他の波長の光と同様に、UV照射は、屈折、回折、反射及び吸収することができる。 UV範囲は、それぞれ異なる生物学的効果およびアプリケーションの技術分野を有する3つのクラス、UV-A、UV-BおよびUV-Cに分けられる。
種々の意味を持つ一般的な用語。定義されていないが通例として、平均照度の意味で用いられる。UV硬化分野では一般に誤用されている。光学上の正確な意味は、フラックス/ステラジアン(W/Sr)で、光の放射に適用される。UV硬化分野では有用でない。[「照度」または「有効照度」の用語の方が好ましい]。
ランプの照度分布、または動的露光の場合はランプの照射されている部分を通過する面の一点における変動照度。時間に対する照度。
消費電力の合計(W)/照射面積(cm2)。 UV LEDシステムを比較するために使用され、結果の単位はW/cm2で表示される。
全ての前方角度から表面に到達する単位面積当たりの放射パワー。平方センチメートル当たりのワット数またはミリワット数(W/cm2またはmW/cm2)で表わされる。
入射光をセンサー部で感知する装置。構造は、熱検知器または光子検知器のいずれかを内蔵している。瞬間的な信号出力は通常、放射光束に直線的に比例し、入射光の波長に依存する。結果として得られる波長に対する照度の応答特性を応答性と呼ぶ。
仕事量またはエネルギーの単位(ニュートン・メートル)。力(パワー)の時間積分。略号はJまたはmJ。(固有名詞に由来するが、用語は大文字にしない。ただし、略号は大文字で表記する)。
機器からの出力を表すための一般的なデータ。照射窓における最大照度。単位はW/cm2。
入射した波長による応答または感度。照度計測では、波長に対する装置の出力。
波長に対するランプの放射出力。様々な形で表示されるが、一般には波長に対してプロットした出力ワットのグラフまたはチャートで表す。プロットの状態は、使用する波長の分解能によって大きく変動する。
任意の波長における、単位面積当たり、単位波長間隔当たりの照度。W/cm2/nmの単位で表す。通常は分光照度計で測定する。有効照度参照。
表面におけるエネルギー密度または放射束密度を表すもので、一般的だがあいまいに使用される用語。(EB硬化では正確に定義された用語であり、1Gray (Gy)=1J/kg、単位質量当たりの吸収エネルギーである)。他の技術では、通常は対象となる媒体内で吸収されるエネルギーに適用されるが、UV硬化では対象となる媒体の表面に到達した照射エネルギー密度のみに扱われる。[よく使われる語は、エネルギー密度で、J/cm2またはmJ/cm2で表す]。
ヘレウス・ノーブルライトが有する独立した公認ランプ特性測定機関。DIN EN ISO/IEC 17025:2005に準拠する機関として認定を受けている。本機関またはお客様サイドで測定を行うことができる。本機関のスペシャリストチームは、物理学者、エンジニア、測定技術者で構成されており、豊富な経験を基にお客様にきめ細やかなサポートを提供している。
た行
2種類の波長帯で、大幅に異なる反射または透過を示す。長波長(赤外線)への反射率が小さいダイクロイックリフレクター(反射鏡)は、「コールドミラー」とも呼ばれる。
ラジオメーターが正確に応答する最小照度と最大照度の範囲。比率または測定単位(W/cm2など)で表される。
多数の波長で構成される。
きわめて狭い波長帯(バンド幅)のみに集中した光源から放射される光。フィルターまたは狭帯域発光のいずれかによって得られる。
基板上に半導体チップを組み立てて電子モジュールを形成するために使用される技術。
バルブ管内部の圧力が、1-10Paのもの。発光スペクトルは、短い波長域185nmと254nmまたは、254nmの輝線となる。254nmの輝線のランプは、主に、殺菌などの用途に用いられる。185nmと254nm輝線のランプは、表面改質などに用いられる。
中圧水銀UVランプ(アークまたはマイクロ波)で、発光バルブ内に水銀に加えて量の金属ハロゲン化物が添加されている。この金属ハロゲン化物は、固有にもつ波長の光を水銀の発光波長に加えて放射する。[ドープランプよりもこの用語が好ましい]。
ランプの発光スペクトルを変えるため、水銀に金属ハロゲン化物を添加したUVランプに用いられる用語。(従来この用語はUVアークランプのメーカーが使用してきた。添加された化学物質は一方の化学物質の性質を変えることがないこので、これはやや不正確な用法である)。[添加ランプの用語の方が好ましい]。
な行
長さの単位。略号はnm。10-9メートル=10-3ミクロン=10Å(オングストローム)と等しい。光の波長の定義に広く使用される単位で、特に電磁波スペクトルの紫外光や可視光領域の波長の単位として用いられる。これと等しい用語で、以前使用されていたミリミクロンは、現在ほとんど使用されない。
出典: Radtech
は行
スピン量子数を含んだ4種類の量子数で決まる1つの電子状態は、1個の電子しか取りえない。スピンの方向を↑と↓で示すと、一般に偶数の電子をもっている有機分子のすべての電子は、スピンの方向が逆になって対(↑↓)を作っている。
光を含めた電磁エネルギーの基本的な記述。伝搬する波の同じ位置にある点間距離。光の速度を光子による振動の周波数で除算したもの。紫外線波長は現在、nm(10-9m)の単位で測定される。以前使用されていたオングストローム(=10-10m)は、現在ではほとんど使用されない。波長の一般的な記号はλ(ラムダ)である。
励起状態の原子または原子群からの放射で、通常、波長に対する放射パワーとして表示される。発光スペクトルは、各原子または分子が固有にもつ。スペクトルは、原子発光スペクトルにおけるように幅の狭いライン輝線発光、または分子発光スペクトルにおけるように準連続発光として観察される。水銀プラズマは、輝線スペクトルと連続スペクトルを同時に放射する。
電気を流すことにより発光する半導体素子の一種。発光させるための構造として、p型半導体とn型半導体を接合した、pn接合を用いる。
管状のUVランプは、一般にその動作電力によってワット/インチ(W/inch)またはワット/センチメートル(W/cm)の単位で表される。これは、単に入力電力を発光バルブの有効長で除算して得られたもの。(ランプの出力効率、スペクトル変換効率、硬化性能、ワーク面に照射される紫外線照度のいずれに対しても、直接的な意味を持たない)。
2つの認識した境界間の波長の幅。波長と同じ単位(nm)で表される。放射分析では、境界の基本を特定または知ることが重要である。
電磁スペクトルの可視範囲。 (一般的に使用されているにもかかわらず、実際には「UV光」という実体は存在しない)。電磁波の一種。波に似た性質と粒子に似た性質をもつ。波長によって特徴づけられる。
分子が紫外、可視、近赤外域の光を吸収すると、分子を構成する原子やまわりの溶媒の配置を変えずに、ごく短時間で電子がエネルギーの高い励起状態となる。
主にLEDの数、それらの電気光学効率、動作電流および動作温度に依存する。光が特別な光学系によって照射されるかどうか、光源のハウジングがどのように設計されるかが重要な点である。 光出力を最大にするには、これらの要因をすべて正確に一致させる必要がある。
「物質に吸収された光のみが化学変化を起こしえる。」物質に光を照射すれば必ず光化学反応が起こるのではなく、光が吸収されてはじめて反応が起こりうる。
1個の光子を吸収して、1個の分子が反応する。
光開始剤とも言う。光を吸収することにより、結合開裂反応がおこり、重合のきっかけとなるラジカル(開始活性種)を発生させる物質。または、光を吸収することにより他の分子から水素を引き抜き、引き抜かれた分子にラジカル(開始活性種)を発生させる物質。(ラジカル重合)。
光を吸収することにより、酸を発生させる物質。発生した酸が、エポキシ基等と反応し、重合が促進される。(カチオン重合)。
純粋な半導体に不純物を添加すると、電子を受容できるアクセプター準位が形成され、価電子帯の電子を容易に受容できるため、価電子帯に正孔が生じやすくなり電気伝導性が向上する。正電荷を持つ正孔が電気伝導に寄与する半導体のことを示す。例えば、Si結晶に、B(ホウ素)を添加した場合など。
ランプ直下で集束したパワーのピーク値。照度分布の最高点。照度の単位(W/cm2)で測定される。
単位面積を通過する放射束の時間的積分値(J/cm2またはJ/cm2)。散乱または反射のない平行または垂直入射ビームでは、エネルギー密度とフルエンスは一致する。
照度計とモノクロメーターの機能を兼ね備えた、細分した波長帯における照度を測定するための測定器。
一定時間に照射された光の積算量。単位はJ/cm2
ある面を単位時間に通過する放射エネルギー。単位はワット。
ま行
入射した放射エネルギーを、測定のために成分波長に分離する単色光器。放射の分散には、回折格子とプリズムの2つの方法のいずれかが用いられる。代表的分解能は1ナノメータ(1nm)あるいはそれ以下である。
や行
特定の波長帯内で、単位面積当たりの表面に到達する照射エネルギー。通常は、平方センチメートル当たりのジュール数またはミリジュール数(J/cm2またはmJ/cm2)で表される。また、特定の波長帯で表される(波長が明記されていない場合は、本質的に意味がない)。一般に認められている略号はWλまたはEλ。
特定の波長帯内で、表面に到達する単位面積当たりの放射パワー。特定の波長帯において平方センチメートル当たりのワットまたはミリワット数(W/cm2またはmW/cm2)で表される(波長が明記されていない場合は、本質的に意味がない)。簡略化のため、波長域が明確な場合は、照度という用語に省略される。一般に認められている略号はEλまたはIλ。
紫外線波長帯域の名称は、本来、紫外線の生理学的影響を区別し、安全な被曝限度を設定するためのものである。一般に認められている帯域は次の通り:
VUV:100~200nm
UVC:200~280nm
UVB:280~315nm
UVA:315~400nm
UVAは一般に長波長紫外線と呼ばれ、UVCは短波長紫外線としている。VUVは「真空紫外線」を表す。
特定帯域の計測は、その照度計の応答性によって決まる。こうした帯域について述べる場合、どの波長を表すのか明確にしておく必要がある。照度計の製造業者は、個々に決めた帯域を使用している。
ら行
露光により色または光学密度が変化する。色または密度が変化する皮膜の特性は、紫外線エネルギーの被曝と関係づけることができる。
不対電子を持つ分子。一つの軌道に電子が1個しか入っていない場合、この電子のことを不対電子と呼ぶ。
φであらわされ、吸収された光子数に対する生成物の分子数。
わ行
1秒当たり1ジュールで行われる仕事、または電位差1ボルトで1アンペアの電流によって生じるパワー、すなわち1/746馬力に等しいパワーの絶対m-kg-秒の単位。略号はWまたはmW。光学分野では、放射または照射パワーの指標。(この用語は固有名詞に由来するが、大文字にしない。ただし、略号は大文字で表記する)。
電気ワットをバルブ長で割ったランプ出力。